日々のニュースから考える「お金のあれこれ」

ファイナンシャルプランナー 福一 由紀のブログ。日々のニュースからちょっと考えたことなど

配偶者控除 → 夫婦控除って誰トク??

政府は、配偶者控除を見直し、夫婦控除を検討しているようです。

配偶者控除は、妻の年間所得が38万円以下(パートなどの給与所得なら年収103万円以下)で、夫の課税対象となる所得から38万円(住民税は33万円)差し引かれ、所得税と住民税の納税額が減るというものです。
いわゆる「103万円の壁」の原因となるものですね。

この配偶者控除が女性の社会進出を妨げていたというのですが・・・本当でしょうか?

パートで年収103万円といえば、月収8万5000円程度。時給800円としたら、月100時間労働。週換算で25時間。月曜から金曜までの週5日勤務で1日5時間。小さい子どもや介護が必要な親などがいる女性にとっては、ちょうど働きやすい(というか、これ以上は働けない)ラインなんです。

また、雇う側からみると人件費を抑えるためには、このラインはかなりありがたいですよね。
年間103万円でパートを雇えるわけですから。実際には、この基準を超えたら損するよね~なんてことで、時間を調整どころか無給で働かせてしまうこともあるようですし。

なので、女性の社会進出を阻んでいるのは、配偶者控除ではなくて、女性の働く環境ですよ。
子どもを預けてガッツリ働きたいと思っても、保育所は見つからない
子どもが小学生になっても学童保育などが整備されていない
子どもが病気になったら仕事を休まざるを得ない
介護が必要な親を預けたくても、預けられずに在宅で介護するべきと周りからいわれる……などなど。

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「子育ては母親が」「介護は家庭で」と言われている女性が
「社会進出を」なんて言われてもね・・・

で、働きたくても働けない専業主婦や年収103万円以下のパートの家庭は配偶者控除廃止で増税ですか・・・
そして、配偶者控除を廃止して夫婦控除を検討なんて話もあって・・・

夫婦控除の概要や金額が不明なので、詳しくはわかりませんが、配偶者控除から夫婦控除に変わって明らかに得するのは、バリバリキャリアウーマン的な共働き夫婦世帯だけでしょう。
この世帯は世帯収入もかなり多く裕福な多い家庭が大半でしょう(厳しい家庭もいらっしゃるでしょうが)
配偶者控除を廃止してまで、この夫婦控除がいるのでしょうか?

ほんと、この件ではもっと言いたいことがあるのですが、また次回に・・・

こんな愚策、やめて欲しいですわ